CAP
CAPとは、Child Assault Preventionの頭文字をとったもので 「子どもへの暴力防止」という意味です。
CAPは1978年にアメリカオハイオ州のレイプ救援センターでつくられました。小学生がレイプされた事件があり、犯人がつかまらず事態が長期にわたるうち、大人たちは一日中子どもと一緒にいるやり方には限界があると気付きました。大切なことは、暴力から逃れるための子ども自身の力を高めることではないだろうかと考えたのです。そして性暴力だけでなく、様々な暴力から子どもが身を守るための教育プログラムとしてCAPが開発されたのです。
CAPでは何を子どもたちに伝えているのでしょうか?
・暴力を防ぐための知識を提供する
子どもは暴力を防ぐための知識が大人ほど十分ではありません。しかし、被害をさけるための知識があれば、子どもがそれを使って身を守ることができます。CAPプログラムでは、暴力というテーマを、子どもを怖がらせないような表現を使って、こども自身が実践できる暴力防止の知識を提供しています。
プログラムのなかではNO…いやだという、GO…その場を立ち去る・逃げる、TELL…誰かに相談する、という対処法の基本を繰り返し伝えています。
・人権-権利
子どもは社会的な力を与えられていません。暴力は力のある側から、弱い側へと向けられることが多いため子どもは暴力の被害にあいやすいのです。CAPプログラムは子どもにも人権があること、暴力は人権侵害であり暴力からのがれることは正当な権利であると説明します。また、プログラムのなかでは、子どもが持っている特別に大切な三つの権利として、安心・自信・自由を説明しています。暴力的な状態におかれたとき、人は不安になり、尊厳が傷付き、自由が奪われがちです。
安心・自信・自由の権利が感じられないときは、力の被害にあっているかもしれないというサインになるのです。
・助けあうということ
暴力をうけていることを誰にも相談できずに孤立させられていると、被害が長期化し暴力がエスカレートしていく可能性があります。CAPプログラムは、子どもたちに、困ったときは信頼できる大人に相談することの大切さや、友達同士で助けあうことの大切さを伝えています。
寸劇や人形劇、対話をしながら子どもたちがいじめや暴力にどう対処していけるかを一緒に考えます。
自分たちに何ができるかを一緒に考え、子ども自身のうちに持っている力を引き出すこと(エンパワメント)によって、理不尽な暴力を跳ね返す権利意識を育てていきます。
お申し込み方法
下記PDFファイルを印刷してお申し込みください。
子どもワークショップ
CAPワークショップは従来の「~してはいけません」式の禁止教育とは異なり、ロールプレイやディスカッションを通して、あらゆる暴力(いじめ、誘拐、性的暴力など)に対して、具体的にどう対処できるかを一緒に考え、練習します。
子どもワークショップは就学前、小学生、中学生向けがあります。プログラムは年齢に応じた方法で行います。
大人ワークショップ
子どもの心を受け止めよう。
「話してくれてありがとう」
「あなたの言うことを信じるよ」
「あなたが悪いのではない」
子どもの権利を守るため、子どもを孤立させないために、大人に何ができるのかを考えていく大切なプログラムです。
保護者向け、教師向けがあります。